アンチブロッキング剤
アンチブロッキング剤は、プラスチックフィルムやシートが製造後に互いに張り付かないようにするために使用される添加剤です。これらのフィルムは、平滑な表面を持つため、重ね合わせると密着して剥がしにくくなることがあります。アンチブロッキング剤は、微細な粒子をフィルム表面に均一に分散させることで、フィルム間に微小な空間を作り、接着を防ぎます。主に包装材料や工業用フィルムで使用され、取り扱いや加工を容易にします。
アンチブロッキング剤マスターバッチ
アンチブロッキング効果は、球状PMMA系微粒子<タルク<球状シリカ<円柱シリカ<針状シリカの順に効果があり、効果をより出すには添加量を増量することになりますが、増量するとヘイズが悪化します。
ブロッキングは、ロール形態で貯蔵した場合のフイルム自体が互着する性質を示す言葉です。 適切なアンチブロッキング剤の添加はブロッキングの解決策の一つです。 代表的なアンチブロッキング剤はシリカ、タルク、珪藻土のうちのいずれかであり、これらの共通の特徴は全て無機材料であるために、ポリマーとは不相溶な点であります。また、微粒子のアクリルポリマーを架橋して使用するものもあります。アンチブロッキング剤の機能は、滑らかなフイルムの表面に微視的な粗さを作り出すことです。アンチブロッキング剤の必要量を十分な分散性を持って加えなければなりません。無延伸フイルムでは500~3000ppmの範囲で使用されます。弊社のMBとして下記のものを用意しています。
ヘイズの悪化を抑えるには、球状PMMA微粒子の使用が極めて有効です。
- 銘柄名
- 用途樹脂
- 標準添加量(PHR)
- 特長
- TME123AB
- PE全般
- 1(phr)
- 針状シリカ
- TME172AB
- PE全般
- 1(phr)
- 球状シリカ
- TME183AB
- PE全般
- 1(phr)
- タルク
- TME226 T
- PE全般
- 1(phr)
- 円柱シリカ
一般的には概略下記濃度でアンチブロッキング効果が得られます。
LLベースのインフレーションフイルムの場合
- ゼオライト
- シリカ(球状)
- シリカ(針状)
- タルク
- 3,000ppm
- 2,000ppm
- 1,500ppm
- 1,000ppm
更にアンチブロッキング効果を出したいときは増量することになりますが、増量するとヘイズが悪化します。ヘイズとの関係はおおむね下記のようになります。PMMAはヘイズ悪化対策品として高効果があります。 しかしながら、樹脂の種類や加工方法により異なりますので予め、テストをしてから使用することをお勧めします。

特記事項
- 各種、高濃度で高機能なマスターバッチを取り揃えておりますので、是非一度ご相談下さい。
- 使用条件や使用環境により影響を受けますので、予備テストでの確認をお願いします。
- 使用するベースレジンの物性により効果が異なるケースがありますので御相談下さい。
- 弊社マスターバッチの添加量表示は現場での計量作業の単純化を考慮し部数(phr)表示となっていますが、5phr以下の添加量の場合、wt%表示と実質的な差はありません。因みに、phrの場合は樹脂重量100に対するMB重量であり、wt%の場合は樹脂重量+MB重量=100です。
- お客様のニーズに合わせた添加剤・濃度・他成分混合等のカスタマイズ化が出来ますので、是非一度ご相談下さい。
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