帯電防止剤
帯電防止剤は、静電気が物質の表面に蓄積するのを防ぐために使用される化学薬品です。主にプラスチックや繊維などの絶縁体に適用され、静電気による埃の吸着、放電による火災、機器の誤作動などを防ぎます。これらの剤は、表面に水分を吸着させたり、導電性を持たせることで電荷の蓄積を抑制します。帯電防止剤には内部添加型と外部コーティング型があり、製品の特性や用途に応じて使い分けられます。
帯電防止剤マスターバッチ
一般にプラスチックは電気を通しません。そのため静電気がたまり、ごみが付着しやすく除去する事が困難です。 又、帯電した静電気の放電によって電子回路が破壊されるなど種々の障害を引き起こします。これを防止する為に界面活性剤(陽イオン系、陰イオン系、非イオン系)を主剤とした帯電防止剤が用いられています。帯電防止剤は、プラスチックの内部に練りこむ場合と、外部に塗布する場合とがあります。 内部に練込む場合、MBの標準添加量は4~7部です。弊社のMBとして下記のものを用意しています。
- 銘柄名
- 用途樹脂
- 標準添加量(PHR)
- 特長
- TME182SAX
- LD,LL用
- 3~5
- 新タイプ高性能
- TME267SA
- LD,LL用
- 3~5
- 汎用
- TMB111
- HD用
- 3~5
- 汎用
- TMB093
- PP用
- 3~5
- 汎用
- TMS160SA
- PS用
- 5~10
- 汎用
- TMP901
- PP全般
- 3~5(phr)
- 新高性能タイプ
*使用するベースレジンの物性により効果が異なるケースがありますので御相談下さい。
*添加剤の種類・濃度はご相談により対応ができます。

帯電防止剤マスターバッチ
新タイプ帯電防止剤(T M E 1 8 2 S AX)
特長
- 従来品は界面活性剤がブリードアウトして、空気中の水分を吸収し、帯電防止効果を発揮するタイプですが、TME182SAXは、添加剤自体が導電性を保有しています。
- 練り込み品で従来品より優れた性能を発揮します。
- 低湿度環境下でも優れた性能を維持します。
- 成型初期から長期にわたり効果を発揮します。
- フィルム摩擦後の帯電が速やかに減衰します。
1.添加剤自体が導電性

2.練り込み品で優れた性能
新タイプと汎用タイプの効果差
- 従来品は界面活性剤がブリードアウトして、空気中の水分を吸収し、帯電防止効果を発揮するタイプですが、TME182SAXは、添加剤自体が導電性を保有しています。
- 練り込み品で従来品より優れた性能を発揮します。
- 低湿度環境下でも優れた性能を維持します。
- 成型初期から長期にわたり効果を発揮します。
- フィルム摩擦後の帯電が速やかに減衰します。

フィルム: LDPE 50μm 温度: 23℃ 湿度: 50%
測定器: シスコム表面抵抗計 ワークフェイステスターST-3
2.低湿度環境下でも優れた効果
相対湿度での効果差


フィルム: LDPE 50μm
添加剤濃度: 新タイプ、界面活性剤型は、いずれも5部添加
測定器: シスコム表面抵抗計 ワークフェイステスターST-3
2.初期・長期にわたり効果発揮
経時変化による効果差

フィルム: LDPE 50μm 温度: 23℃ 湿度: 50%
測定器: シスコム表面抵抗計 ワークフェイステスターST-3
永久帯電防止剤マスターバッチ
永久帯電防止剤 「TMP901」
TMP901は、高分子型の永久帯電防止剤であり、ポリプロピレン原料に対して、既存の界面活性剤型や導電性高分子型の帯電防止剤の欠陥や問題点を解決し、帯電防止性能を効果的かつ安定して発揮することが出来ます。
- 半永久的に高い帯電防止性
- 色調に優れ、幅広い用途に適用可能 TMP901 配合(30部)シートの外観
効果の即効性と長期にわたる持続性
TMP901を配合した製品は成形直後から表面抵抗値を下げることができ、水拭きしても性能への影響はありません。

※TMP901配合(30部)
※一定の環境下での測定値であり、保証値ではありません。
耐熱寸法安定評価

静電気の抑制レベルを容易に制御
TMP901は、配合量を調整することで、用途に応じて表面抵抗を容易に制御することができます。
通常、ほこり付着防止用途には10~20配合(部)、静電気スパーク防止用途には30~40配合(部)を推奨しています。
TMP901を添加したポリプロピレンの帯電防止性

測定条件:23℃、60%RH
TMP901の特徴
- * 移行による汚染の問題はほとんどありません。
- * 飛散や剥離等による性能劣化がほとんどなく、半永久的に帯電防止性能が発揮されます。
- * 製品物性への影響が無視できます。
特記事項
- 各種、高濃度で高機能なマスターバッチを取り揃えておりますので、是非一度ご相談下さい。
- 使用条件や使用環境により影響を受けますので、予備テストでの確認をお願いします。
- 使用するベースレジンの物性により効果が異なるケースがありますので御相談下さい。
- 弊社マスターバッチの添加量表示は現場での計量作業の単純化を考慮し部数(phr)表示となっていますが、5phr以下の添加量の場合、wt%表示と実質的な差はありません。因みに、phrの場合は樹脂重量100に対するMB重量であり、wt%の場合は樹脂重量+MB重量=100です。
- お客様のニーズに合わせた添加剤・濃度・他成分混合等のカスタマイズ化が出来ますので、是非一度ご相談下さい。
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